ヤーキーズ・ドットソンの法則とは、1908 年の Robert Yerkes と John Dodson の研究に由来する、覚醒水準と課題遂行能力の関係を示す法則である。覚醒度が低すぎると注意散漫や無気力により成績が低下し、高すぎると不安や過緊張により同様に低下する。中程度の覚醒状態で最高のパフォーマンスが発揮される逆 U 字型の関係が成立する。課題の難易度によって最適覚醒水準は変動し、単純課題では高い覚醒が、複雑課題では低めの覚醒が有利に働く。

逆 U 字カーブの神経基盤

逆 U 字型の関係を、前頭前皮質のノルアドレナリンとドーパミンが適度な量の時にワーキングメモリの回路がよく働くことで説明する考え方がある。軽い急性のストレスでも、自分で制御できないものであれば、前頭前皮質が担う認知の能力が急速に損なわれうるという総説がある。

課題難易度と最適覚醒水準

法則の補足として、課題の複雑さによって最適覚醒水準が異なる点がある。反応時間の課題のような単純課題では、比較的高い覚醒状態が有利に働く。一方、ワーキングメモリ課題や複雑な意思決定では、過度の覚醒で成績が下がる。その理由として注意の狭窄を挙げる説明がある。

認知テストの結果と覚醒

テスト結果のばらつきが大きい場合、覚醒水準の変動が原因である可能性がある。