有効視野 (UFOV) とは、視線を固定した状態で周辺視から有意味な情報を取得できる範囲を指す。解剖学的な視野とは異なり、注意資源の配分によって動的に変化する。加齢、認知負荷の増大、疲労などにより縮小し、運転能力や視覚探索の効率と関わる。
有効視野の定義と解剖学的視野との違い
有効視野 (Useful Field of View, UFOV) は、眼球を動かさずに一度の注視で処理可能な視覚情報の空間的範囲を指す。人間の解剖学的視野は水平方向に約 180 度に及ぶが、有効視野はそのうち注意が行き届き、意味のある情報を抽出できる範囲に限定される。中心視では高い解像度で詳細を捉えられるが、周辺視では解像度が低下する。有効視野はこの物理的制約に加え、注意資源の配分状態によって動的に拡大 / 縮小する認知的な概念である。
有効視野を縮小させる要因
有効視野は複数の要因によって縮小する。その 1 つは加齢である。中心課題の難易度が上がると注意資源が中心に集中し、周辺の処理能力が低下するトンネル視野効果も生じる。疲労、睡眠不足、アルコール摂取も縮小要因となる。逆に、アクションビデオゲームで訓練した非プレイヤーが、視覚的注意のいくつかの測定で向上したという報告がある。
認知テストでの測定と実用的意義
UFOV テストでは、中心課題を遂行しながら周辺に短時間提示される標的を検出する二重課題パラダイムが用いられる。この指標は自動車事故リスクの予測因子として研究されており、高齢の運転者を追跡した研究では、有効視野の低下が大きい人が事故に関わる可能性は 2 倍以上だったと報告されている。