身長の世界分布と地域差
NCD Risk Factor Collaboration の 2020 年データによると、 成人男性の世界平均身長は 171 cm、女性は 159 cm である。 しかし地域差は極めて大きい。オランダ人男性の平均 183.8 cm に対し、 東ティモール男性は 160.0 cm と、23 cm 以上の開きがある。
この差は遺伝的要因だけでは説明できない。栄養状態、特に幼少期のタンパク質摂取量と 感染症の頻度が身長に強く影響する。日本人の平均身長が戦後 50 年で約 10 cm 伸びた事実は、 環境要因の重要性を端的に示している。
身長パーセンタイルの計算方法
身長の分布は正規分布に近似できるため、平均値と標準偏差から パーセンタイルを精度よく算出できる。MyRank では各国・性別・年齢層ごとの 平均と標準偏差を用いて、入力された身長が世界全体のどの位置にあるかを計算する。
たとえば日本人男性で 175 cm の場合、日本国内では約 70 パーセンタイル (上位 30%) だが、 世界全体では約 65 パーセンタイルとなる。 これは東南アジアやアフリカの一部地域の平均身長が低いことによる。
身長と社会経済的指標の相関
複数の研究が、身長と所得の間に正の相関を報告している。 Case & Paxson (2008) は、身長 1 インチ (2.54 cm) あたり年収が約 1.5〜2% 高いことを示した。 ただしこれは因果関係ではなく、幼少期の栄養・健康環境が認知発達と身長の両方に 影響するという共通原因による相関と解釈されている。
身長ランキングを見る際に重要なのは、身長そのものに価値判断を持ち込まないことである。 ランキングはあくまで統計的な位置を示すものであり、 身長が高いことが「良い」わけではない。
成長期を過ぎた後にできること
成人後に身長を伸ばすことは基本的に不可能である。 骨端線 (成長板) が閉じた後は、骨の長軸方向の成長は停止する。 一方で、姿勢の改善により見かけ上 1〜3 cm の差が生じることは珍しくない。
MyRank の身長ランキングは「現在の自分の位置を知る」ためのツールであり、 変えられない属性に対して劣等感を抱くためのものではない。 世界の多様性を数値で実感し、自分の身体を客観的に理解する一助となれば幸いである。