定義と単利との違い
複利とは、元本だけでなく過去に獲得した利息にも利息がつく 仕組みである。単利が元本に対してのみ利息を計算するのに対し、 複利は利息が利息を生む雪だるま式の成長をもたらす。 年利 5% で 100 万円を運用した場合、単利では 20 年後に 200 万円だが、複利では約 265 万円になる。この差は期間が 長くなるほど劇的に拡大する。
| 経過年数 | 単利の残高 | 複利の残高 | 差 |
|---|---|---|---|
| 5 年 | 125.0 万円 | 127.6 万円 | 2.6 万円 |
| 10 年 | 150.0 万円 | 162.9 万円 | 12.9 万円 |
| 20 年 | 200.0 万円 | 265.3 万円 | 65.3 万円 |
| 30 年 | 250.0 万円 | 432.2 万円 | 182.2 万円 |
| 40 年 | 300.0 万円 | 704.0 万円 | 404.0 万円 |
72 の法則
72 の法則とは、資産が 2 倍になるまでの年数を概算する 簡便な方法である。72 を年利率で割ると倍増に必要な年数が わかる。年利 6% なら約 12 年、年利 3% なら約 24 年で 資産が倍になる。
| 年利率 | 72 の法則による概算 | 実際に倍になる年数 |
|---|---|---|
| 2% | 36 年 | 35.0 年 |
| 3% | 24 年 | 23.4 年 |
| 4% | 18 年 | 17.7 年 |
| 6% | 12 年 | 11.9 年 |
| 8% | 9 年 | 9.0 年 |
| 12% | 6 年 | 6.1 年 |
この法則は投資だけでなく、インフレ率にも適用できる。 年 3% のインフレが続けば 24 年で物価が倍になり、 実質的な購買力は半減する。複利の力は資産形成にも 資産の目減りにも等しく作用する。
資産格差と複利の関係 (r > g)
トマ・ピケティが示した「r > g」(資本収益率が経済成長率を 上回る) という不等式は、複利のメカニズムが格差を拡大させる 構造を端的に表している。資本を持つ者は複利で資産を増やし、 労働所得のみに依存する者との差は時間とともに開いていく。 世界の資産ランキングにおける上位層の集中は、この複利効果の 長期的な帰結である。
金融リテラシーとの接点
複利の理解は金融リテラシーの根幹をなす。MyRank の年収や 資産のランキングで自分の位置を確認したとき、現在の順位よりも 重要なのは「複利が今後どう作用するか」という時間軸の視点である。 早期に投資を始めた人と遅れた人の差は、能力や収入の差以上に 複利の作用期間の差によって説明される。ランキングは現在の スナップショットだが、複利は未来の軌道を決定する。